大学入試を取り巻く状況はここ数年混沌としています。2014年12月に発表された中央教育審議会答申「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について ～ すべての若者が夢や目標を芽吹かせ、未来に花開かせるために ～」に端を発した大学入試に関する議論はいろいろな提案と検討、曲折を経て、2021年1月に第1回の大学入学共通テストとして日の目を見ました。

とは言え、この間、受験対象となる高校生だけでなく、その前年度の受験生を含む多くの関係各位も多大な不安を持たれたことと思います。また、2025年度には新教育課程対応の入試が導入されることが決まっており、現在その議論が進められているところです。今回に限らず、変革期に受験を迎える高校生は不安を抱えながら高校生活を送ることになり、ややもすると落ち着いて勉学に励むことの環境が整わないのではないかとも想像しており心苦しく感じています。

そのような方々にお伝えしたいこととして、本学のアドミッション・ポリシーを是非ご覧いただければと思っています。その冒頭には「高等学校等で学習する教科・科目の基本的な知識を習得し」と書かれており、大学での修学には高等学校での勉強が重要であることを挙げています。つまり、入試制度がどのように変わろうとも、高等学校で学ぶ教科・科目は皆さんの成長に必ず寄与する事項が満載されており、それらを活用して大学教育は勿論のこと、今後の人生に役立てることができます。ですので、いろいろな外乱に惑わされることなく、地に足を着けて有意義で充実した高校生生活を送られることを願っています。もし工学の分野に関心を持たれ、本学に興味を示してくださり、4月に入学された暁には桜の咲くキャンパス内でお目にかかれることを楽しみにしております。