創造教育開発オフィス

社会の中に大学があることの意味は何?という厳しい声に真剣に答え、「より意識的に」大学のあり方を追求します。

平成25年度 活動報告

1.工学教育創造部門
⑴カリキュラム検証活動
「カリキュラム検討部会」(部会長:武田竜弥准教授)では、現行カリキュラムへの移行期が終了したこと、2015年度から高等学校で新学習指導要領による教育を受けた学生が入学してくることなどを考慮し、共通教育カリキュラムの運用状況と問題点について中間総括を行いました。その結果、以下のような課題が明らかとなりました。
 まず数学では、新学習指導要領で「行列」がなくなったため、2015年度から新たな対応が必要であることが確認されました。数学科目集団から具体的な対応策が学科に応じた対応も含めていくつか提案され、各案の長所と問題点について検討しました。英語では、2年次後期に英語科目が開講されておらず、学生が継続的に英語の学習をする機会が十分ではないこと、入試の配点変更に伴う新入生の英語力の低下が懸念されることなどが指摘され、対応策を検討しました。人間社会では、担当教員の減少が深刻なレベルに達していること、キャリア教育科目の扱いなどが課題として指摘されました。また第二外国語の学習機会をいかにして確保するかについても議論されました。
 物理、化学を含めた検討結果は「カリキュラム検証中間報告書」として取りまとめ、次のカリキュラム改訂のための基礎資料としました。またこれを踏まえ、第1回FD研究会では、数学、英語、人間社会の代表者がカリキュラムの概要とこれからの課題について報告しました。

⑵生涯学習活動
「生涯学習部会」(前部会長:上原直人准教授)が企画立案した全学的な公開講座を以下の日時及び題目で実施しました。
題目:「数学の世界をのぞいてみる ~現代社会と数学~」

日時:平成25年5月25日(土)13:00~15:15
参加者数:78名
講演題目と講師:
「数学者ってどんな人たち?」夏目利一教授
「材料科学新展開への数学の挑戦」 小谷元子東北大学教授

日時:平成25年6月1日(土)13:00~15:30 
参加者数:86名
講演題目と講師:
「暗号の歴史」夏目利一教授
「リーマン予想と素数分布」山岸正和准教授

 なお、平成26年度(現部会長:上野一男准教授)については、「医療工学/生体工学に関わる名工大のとりくみ」の題目のもとで準備しています。

⑶e-Education推進活動
「e-Education推進部会」(部会長:平澤美可三准教授)では、本学におけるe-Educationの役割を「新しい学びの場の構築」と位置付け、「大学での学び」を学生と教員の両方の視点から推進することを目標としています。
 今年度は、e-Learning教材のさらなる充実を図りました。数学では、名工大標準教科書の1つに準拠した問題集を作成していますが、これを更新するとともにmoodleへの対応を始めました。また、デジタル教科書等について、その意義と問題点を議論しました。物理については、様々な講義に共通して必要な「知識」に関する教材を作ることが多様な講義に役立ち、さらには講義内容が教員によって異なる現状においても、有効であることがわかりました。英語では、e-Educationを活用した課外活動を行い、英語の「学びの場」を学内外に広げました。Moodleを活用しながら基礎力鍛錬型の「課外授業」、少人数実践型の「英語ブラッシュアップ授業」を対面形式で行いました。さらに e-learningで学習した科学技術英語の力を競う「第3回名工大英単語コンテスト」を開催し、本年度は学外からも多くの参加がありました。
 さらに、他大学におけるe-Learningを利用した教育実践の調査を行いました。その成果の一部を学内のFD研究会で数学・英語・物理科目担当教員が発表するとともに、学外からFDの専門家を招いて講演会を行いました。

2.教育機能開発部門
⑴FD推進活動
「FD推進部会」(部会長:大原繁男オフィス長兼任)とカリキュラム検討部会およびe-Education推進部会が中心となって、以下の2つのFD研究会を開催しました。また、7件の学外のFD研究会に参加いたしました。

第1回FD研究会
新学習指導要領「生きる力」と大学教育
日時:平成25年12月6日(金)13:00~15:30
参加者数:30名
「名古屋工業大学における共通教育」
 カリキュラム検討部会
「愛知県立一宮高等学校における取り組み」
 川口一郎 愛知県立一宮高等学校教諭
 稲守将基 愛知県立一宮高等学校教諭
「新学習指導要領「生きる力」のめざすこと」
 清原洋一 文部科学省初等中等教育局視学官

第2回FD研究会
理工系大学における「新しい学びの場」の構築
日時:平成26年2月13日(木)13:00~15:30
参加者数:35名
「名工大e-Education推進部会の取り組み」
「広島大学における教養教育から大学院課程までの英語教育」
 前田啓朗准教授(広島大学外国語教育研究センター)
「北九州市立大学国際環境工学部における英語教育」
 長加奈子准教授(北九州市立大学基盤教育センター)


第2回FD研究会

 また、例年通り、愛知県事業「知の探求講座」を運営するとともに、SSH合同研究発表会「科学三昧inあいち2013」にも参加しました。

⑵「学生による授業評価」推進活動
「授業評価・シラバス部会」(部会長:水澤靖准教授)では、昨年度から電子化された「学生による授業評価」および「教員による授業の自己点検・評価」について、実施上の問題点の整理と改善に向けた検討を行いました。
 電子化されてから二年目となり、一年目との比較も行えるようになったことから、より具体的に、電子化の効果と問題点を把握できるようになりました。特に教員側にとっては、他クラス、他学科や昨年度の評価結果との比較が容易になり、FD活動への効果が益々期待されます。
 一方で、今年度の学生の回答率は前期が35%、後期が30%(昨年度は前期58%、後期42%)となり、高い回答率を維持するための工夫が大きな課題として残っています。さらに電子化に伴うアンケート内容の改良により、授業評価を通して見える課題の把握も進んでいます。今後も引き続き、電子化の問題点の解決とともに、授業評価の効果的な活用に向けて、その有効性や課題を、どのように組織的に共有してゆけるか検討を進める予定です。