創造教育開発オフィス

社会の中に大学があることの意味は何?という厳しい声に真剣に答え、「より意識的に」大学のあり方を追求します。

平成24年度 活動報告

1.工学教育創造部門
⑴カリキュラム検証活動
「カリキュラム検討部会」(部会長:川島慶子准教授)では、前年度、前々年度に引き続き、学務課の協力も仰いで、以下の調査を行いました。
1)各講義の受講状況分析
2)高大接続アンケートから見えてくる学生の要望分析
3)成績分布、学生の履修態度、講義の理解度などの調査分析
 そこからわかったことは、ゆとり教育以降の学生の基礎学力の低下が顕著であるということです。特に人間社会科目では、歴史や社会の基礎知識が欠ける学生が増加しているほか、答案やレポートの際に見られる国語力の低下が著しい。反面、ゆとり教育では、コミュニケーション能力の育成を重視しているので、この部分では以前の学生より能力が高いと思われます。個々の学生自身は向学心を持っており、専門にかたよらない知識と学力の向上を望んでいると思われます。人間社会では以上の点を踏まえて、個別科目の理解に加えて、現在の学生の長所をのばし、短所を補うことができるようなカリキュラムについて検討しました。  また、数学においては、高等学校の教育科目から「行列」がなくなることに伴い、平成27年度からの線形代数のカリキュラムについて検討し、数学教員からの意見聴取を行いました。この問題の解決には、行列の導入に相当時間を充てる必要、つまりコマ数を増やして演習機会を増加させることが望ましいが、大幅な負担増が見込まれます。またこれを実現するための時間割の設定が難しいため、コマ数増加は容易ではないという結論に至りました。  そのほか、これも前々からの課題であるが、教職課程のありかたについて、リベラルアーツ区分の開講科目との関連も含めた検討を行いました。

⑵生涯学習活動
「生涯学習部会」(部会長:上原直人准教授)が企画立案した、本オフィス主催の全学的な公開講座を以下の日時及び題目で実施しました。講座は、本学の教員3名と、工業会推薦の1名が担当しました。
題目:「さよならエネルギ−多消費型社会—名工大の挑戦—」
日時:
平成24年5月26日(土)13:00〜15:10
平成24年6月2日(土)13:00〜15:30
参加者数:72名
会場:0211講義室
講義題目と講師:
「省エネルギ−で活躍するパワ−エレクトロニクス技術」竹下隆晴教授
「空気でつくる省エネ材料…貼るだけで良いんです!」藤正督教授
「太陽光発電の大量普及に向けて」
 曾我哲夫教授
「次世代車普及の課題とトヨタの取り組みについて」岡島博司氏(トヨタ自動車株式会社技術統括部 主査)


公開講座風景

⑶e-Education推進活動
「e-Education推進部会」(部会長:高橋聡教授)では、本学におけるe-Educationの役割を「新しい学びの場の構築」と位置付け、「大学での学び」を学生と教員の両方の視点から再検討することを目標としました。今年度は、目標実現のために、以下の取り組みを行いました。
①e-Learning教材のさらなる充実を図りました。英語科目では、「英単語繰り返し学習システム」、「文型リピート練習システム」のコンテンツを追加し、「名工大英単語学習コース」をMoodleの中に設定しました。数学科目では、名工大標準教科書の1つに準拠した、問題集を作成しました。
②他大学におけるe-Learningを利用した教育実践の調査を行った。外国語メディア教育学会や教育工学会など、e-Education関連学会やFD研究会に参加し、e-Learningの現状や大規模データとIT技術を活用した学習支援について、他大学の動向等の情報収集を行いました。

2.教育機能開発部門
⑴FD推進活動
「FD推進部会」(部会長:大原繁男オフィス長兼任)が企画立案し、e-Education推進部会および授業評価・シラバス部会が中心となって、以下の2つのFD研究会を開催しました。

第1回FD研究会
題目:「e-learningによる大学教育の最先端」
日時:1月30日(水)13:30~15:30
参加者数:36名
名工大の取り組みの紹介:
「コーパス分析を用いた科学技術英語(EGST)教育」吉田朱美准教授、小山由紀江教授
「科学技術英語(EGST)教育のMoodle利用」クイン・ケリー准教授、石川有香教授
「数学補助教材の活用とe-learning」松添博准教授、林倫弘准教授、平澤美可三准教授
講演会:
「教員と学生の双方向の教育のための教材開発と環境整備」
九州工業大学情報工学研究院 西野和典教授

第2回FD研究会
題目:「学生の声を活かした大学教育の改善」
日時:2月19日(火)13:30〜15:30
参加者数:34名
名工大の取り組みの紹介:
「授業評価の電子化と今後の課題」
創造教育開発オフィス長 大原繁男
「学生との協働で掴む、学生のニーズとFD ~ぴあサポート等学生支援団体を組織して~」 キャリアサポートオフィス長 山下啓司
講演会
「岡山大学における学生の声を活かすFD活動の現状と課題」岡山大学・教育開発センター 天野憲樹准教授


第2回FD研究会風景

なお、平成23年度の第二回FD研究会を昨年度の報告書作成後に実施したので、以下、報告させていただきます。
平成23年度 第二回FD研究会
題目:「ゆとり教育世代」について考える
— 大学はどう向き合い、何をなすべきか —
日時:3月19日(月)13:30〜15:30
参加者数:41名
特別講演:
「『ゆとり教育世代』を大学はどうとらえるべきか」 ベネッセ教育研究開発センター 主席研究員 山下仁司氏
パネルディスカッション:
山下仁司氏(ベネッセ教育研究開発センター)、大貫徹教授(工学教育総合センター長)
犬塚信博教授(学生なんでも相談室長、情報工学科教授)、高木繁教授(アドミッションオフィス長)【化学】、上原直人准教授(創造教育開発オフィス)【人文社会】、石川有香教授(創造教育開発オフィス)【英語】、大原繁男教授(創造教育開発オフィス長)【物理】

⑵「学生による授業評価」推進活動
「授業評価・シラバス部会」(部会長:大原繁男オフィス長兼任)では、昨年度立案した授業評価電子化の計画にもとづいて、「学生による授業評価」および「教員による授業の自己点検・評価」の電子化を行いました。今年度からポータルからの入力による授業評価が実施され、著しい低コスト化が実現されると共に、直ちにその結果をフィードバックすることが可能となりました。全ての授業評価結果をポータル上で公開し、学生・教員共に自由に閲覧できるシステムが完成しました。電子化により回答率の低下が予想されましたが、前期は69%、後期は53%の学生が授業評価アンケートに回答しました。紙媒体による回答率の約70%よりは低下しましたが、十分に高い回答率が維持できていると言えると思います。
 今後、電子化によって生じた実施上の問題点の整理とその解決を図ると共に、これまで以上に授業評価を活用して行くために組織的にどのような授業改善が可能か検討を進めるつもりです。
 なお「電子化による授業評価システムの合理化」の観点から授業評価電子化チーム(シラバス・授業評価部会:大原繁男、藤本温、水野江依子; Essertier Joseph、水澤靖、学務課:藤田隆徳、情報基盤センター:服部崇哉)は平成24年度の学長褒賞(優秀賞)を受賞しました。